特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識!
6 神経,外眼部,腫瘍などの疾患
■神経
視神経炎における抗アクアポリン-4抗体
植木 智志
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野
pp.394-397
発行日 2011年10月30日
Published Date 2011/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103979
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ここが変わった!
以前の常識
●特発性視神経炎の病態機序は,多発性硬化症でみられる脱髄に類似した機序と長い間考えられており,特異的な自己抗体については不明である。また,治療についてはステロイドパルス療法によって視機能回復までの期間を短縮できることが知られている。
現在の常識
●多発性硬化症の一型である視神経脊髄炎の特異的な自己抗体として発見された抗アクアポリン-4抗体が特発性視神経炎の約10%程度に陽性である(抗アクアポリン-4抗体陽性視神経炎)。この抗体が陽性であると再発が多く,視力予後が不良であるため,ステロイドパルス療法に血漿交換療法を加えるなど新たな治療プロトコールの確立が急務である。
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