私の経験
眼部セネストパチーの2症例
戸所 大輔
1
,
藤平 和吉
2
,
秋山 英雄
1
1群馬大学大学院医学系研究科 脳神経病態制御学講座 眼科学
2群馬大学大学院医学系研究科 神経精神医学講座 神経精神医学
キーワード:
セネストパチー
,
眼科
,
精神科
,
cenesthopathy
,
ophthalmology
,
psychiatry
Keyword:
セネストパチー
,
眼科
,
精神科
,
cenesthopathy
,
ophthalmology
,
psychiatry
pp.1217-1220
発行日 2021年12月5日
Published Date 2021/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002373
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セネストパチー(体感症)は身体各部における異常感覚を自覚する病的状態であり,それを説明し得る客観的身体所見を欠くにもかかわらず,患者はしばしばグロテスクな表現で奇異な症状を執拗に訴える。また,セネストパチー患者はしきりに手術を要求するため,患者と医療者との間でトラブルになりやすい。本症は精神科領域の疾患であり,診断および治療につなげるために精神科の受診が必要だが,精神疾患であることを認めないのが本症の特徴でもあり,患者に精神科を受診させるのは簡単ではない。今回我々は,セネストパチーと考えられる2症例を経験し,1例は精神科医による診断に至ったので,眼科医にも本症の概念が広く認知され,病態や治療法が徐々に明らかにされていくことが望まれることから,報告する。
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