症例報告
新型コロナウイルス感染症罹患後に発症した視神経炎の1例
粕谷 友香
1
,
牧野 伸二
1
1自治医科大学眼科学講座
キーワード:
新型コロナウイルス感染症
,
視神経炎
Keyword:
新型コロナウイルス感染症
,
視神経炎
pp.1209-1215
発行日 2021年12月5日
Published Date 2021/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002372
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新型コロナウイルス感染症罹患後に発症した視神経炎の1例を報告する。
新型コロナウイルス感染症に7週間前に罹患した25歳女性が左眼眼痛,視野障害で受診した。左眼視力は(0.02)で,著明な視神経乳頭浮腫がみられた。視野検査ではⅤ/4視標で中心下方から耳下側にかけて視野は残存していたが,Ⅲ/4視標では耳側にわずかに残存するのみであった。頭部MRIでは左視神経の腫大と高信号を認め,左視神経炎と診断した。抗アクアポリン4抗体,抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白抗体はともに陰性であった。メチルプレドニゾロン1,000mg/日を3日間のパルス療法を3クール施行し,左眼視力は(1.2),乳頭浮腫,視野障害も改善した。
新型コロナウイルス感染症罹患と視神経炎発症との関連については,単なる偶然か,原因となったかは確定できないが,文献的考察から何らかの関連があるものと推測した。
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