症例報告
ナビゲーションシステムを併用した眼窩腫瘍摘出術の1例
半沢 友理
1
,
敷島 敬悟
1
,
道下 将太郎
2
,
赤崎 安晴
2
1東京慈恵会医科大学眼科学講座
2東京慈恵会医科大学脳神経外科学講座
キーワード:
眼窩腫瘍
,
ナビゲーションシステム
,
経頭蓋眼窩壁切開術
,
orbital tumor
,
surgical navigation system
,
transcranial orbitotomy
Keyword:
眼窩腫瘍
,
ナビゲーションシステム
,
経頭蓋眼窩壁切開術
,
orbital tumor
,
surgical navigation system
,
transcranial orbitotomy
pp.175-181
発行日 2021年2月5日
Published Date 2021/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002031
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ナビゲーションシステム併用手術の有効性は確立され,脳神経外科手術,耳鼻咽喉科手術では保険収載されている。今回,眼窩腫瘍に対してナビゲーションシステム併用による経頭蓋眼窩腫瘍摘出術を施行したので報告する。症例は,47歳男性。左眼視力低下を主訴に前医を受診した。左眼視力(1.2)であった。左眼に乳頭浮腫と網膜色素上皮不整を認め,Vogt・小柳・原田病等を疑いステロイドパルス療法を施行したが,眼底所見と左眼視力が悪化したため,頭部CT検査をしたところ左眼窩腫瘍を認めた。当院初診時,左眼視力(0.2)となっていた。左眼球突出と左眼の上転・内転制限,眼底に乳頭浮腫と脈絡膜皺襞を認めた。頭部造影MRIにおいて,筋円錐内の内上方に腫瘍が確認された。非典型的な画像所見を呈する腫瘍であり,筋円錐内内上方に位置したため,経頭蓋アプローチによる眼窩腫瘍摘出術を考慮した。当院脳神経外科と合同で,ナビゲーションシステム下に腫瘍摘出術を施行した。開頭ならびに眼窩上壁開窓後,ナビゲーションシステムを利用することによって,腫瘍部位の同定が容易であった。摘出した腫瘍の病理診断結果は非典型的な血管腫であった。術後1年の時点で,左眼視力(1.0)に上昇し,左眼球突出・眼球運動制限は軽快し,乳頭腫脹ならびに網膜浮腫の改善も認めた。
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