私の経験
眼科単科病院における眼瞼腫瘍の頻度
森 文彦
1
,
昌原 英隆
2
,
江口 秀一郎
1
1江口眼科病院(函館市)
2東邦大学医療センター佐倉病院眼科
キーワード:
眼瞼腫瘍
,
病理診断
,
基底細胞癌
,
脂腺癌
,
母斑
,
脂漏性角化症
Keyword:
眼瞼腫瘍
,
病理診断
,
基底細胞癌
,
脂腺癌
,
母斑
,
脂漏性角化症
pp.183-186
発行日 2021年2月5日
Published Date 2021/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002032
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江口眼科病院における眼瞼腫瘍の頻度などについて検討した。
対象と方法は,2011年4月から2020年3月までの10年間に江口眼科病院を受診し,手術切除,病理診断を行った眼瞼腫瘍91例を対象とした。眼瞼腫瘍の良性,悪性の頻度,病理診断別頻度,年齢,性別などを検討した。結果,眼瞼腫瘍91例中,良性腫瘍は84例(92%),悪性腫瘍が7例(8%)であった。良性腫瘍は母斑細胞母斑(母斑)16例(19%),脂漏性角化症15例(18%),乳頭腫15例(18%),類表皮嚢胞15例(18%)などであった。悪性腫瘍は基底細胞癌5例(71%),脂腺癌2例(29%)であった。平均年齢は良性腫瘍が66歳,悪性腫瘍が82歳であった。性別は良性腫瘍で男性31例,女性53例,悪性腫瘍は男性2例,女性5例であった。
一般眼科医が最初に診察する眼瞼悪性腫瘍の頻度はこれまでの本邦の報告よりも低く,今回のように10%程度ではないかと推察される。良性腫瘍は母斑,脂漏性角化症,乳頭腫,表皮様嚢胞の4つで3/4程度であった。
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