１ 眼科で使用するマイトマイシンCの副作用

マイトマイシンC（mitomycin C：MMC）は抗腫瘍性抗生物質に分類される抗悪性腫瘍薬である。作用機序は，DNAの分裂阻止やDNA鎖の切断などによるDNA複製阻害であるが，これは悪性細胞のみならず正常細胞にも同様の作用を生じ，副作用を引き起こす。以下，眼科で使用するMMCの副作用について，抗腫瘍薬として点眼使用した場合の観点から述べるが，投与方法の異なる緑内障や翼状片の手術などでの使用にもある程度共通するものと考えてよい。