綜説
近視コントロールの現状
四倉 絵里沙
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
キーワード:
近視
,
屋外活動
,
低濃度アトロピン点眼液
,
オルソケラトロジー
,
多焦点ソフトコンタクトレンズ
Keyword:
近視
,
屋外活動
,
低濃度アトロピン点眼液
,
オルソケラトロジー
,
多焦点ソフトコンタクトレンズ
pp.465-472
発行日 2020年5月5日
Published Date 2020/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001657
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近年,近視人口は世界的に増加傾向にあり,2050年には近視人口が世界の人口の約半分である50億人弱になるという予測もある1)。特に東アジア諸国での急増が顕著であり,本邦においても,東京都内の公立小学校児童の約75%が,私立中学校生徒の約95%が近視であることが2019年に報告されている2)。近視の急増に伴い,強度近視の有病率も増加しており,強度近視では脈絡網膜萎縮,黄斑変性,緑内障,網膜剥離の発症リスクが高まり失明に繋がる危険性もある。「近視が疾患である」という認識は,かつて眼科医においても低く,近視を抑制するという着想は得られていなかったが,このような急増を危惧し,現在近視の発症・進行を抑えるためにさまざまな対策が検討されている。
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