綜説
眼科周術期における感染症対策最近の考え方
子島 良平
1
1宮田眼科病院
キーワード:
周術期減菌化療法
,
抗菌点眼薬
,
耐性化
,
AMR(Antimicrobial Resistance)
Keyword:
周術期減菌化療法
,
抗菌点眼薬
,
耐性化
,
AMR(Antimicrobial Resistance)
pp.733-738
発行日 2019年7月5日
Published Date 2019/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001239
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現在,わが国では白内障手術をはじめとした内眼手術が年間120万件以上行われている。内眼手術における合併症のなかで最も重篤なものに,術後の感染性眼内炎がある(図1)。国内における白内障術後眼内炎の発症率は2018年の報告で約0.02%とされており1),その発症頻度は高くはないが,視機能に重篤な障害を残す可能性がある忌避すべき合併症である。術後眼内炎の発症メカニズムは完全には解明されていないが,眼内炎の起因菌と外眼部の常在菌叢が遺伝子レベルで一致しているとの報告があり2),結膜嚢や眼瞼の常在菌が術後眼内炎の発症に関与していると考えられている。このため内眼手術の周術期には感染性眼内炎の発症予防目的から,抗菌点眼薬やヨード製剤を用いた結膜嚢の周術期減菌化療法が広く行われている。
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