臨床報告
Inverted internal limiting membrane flap法を行い5か月後に閉鎖した陳旧性黄斑円孔の1例
内田 望
1
,
富田 剛司
1
,
八木 文彦
1
1東邦大学医療センター大橋病院眼科
キーワード:
特発性黄斑円孔
,
陳旧性黄斑円孔
,
硝子体手術
,
内境界膜
,
internal limiting membrane (ILM)
,
inverted ILM flap法
,
flap closure
Keyword:
特発性黄斑円孔
,
陳旧性黄斑円孔
,
硝子体手術
,
内境界膜
,
internal limiting membrane (ILM)
,
inverted ILM flap法
,
flap closure
pp.643-647
発行日 2019年6月5日
Published Date 2019/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001213
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要約
2010年,Michalewskaらは大型の特発性黄斑円孔(MH)に対し,inverted internal limiting membrane (ILM) flap法(本法)を行い,良好な手術成績を報告した。今回我々は陳旧性MHに対し本法を行い,術後5か月と遅発性に円孔が閉鎖した症例を経験したので報告する。
症例は63歳女性。2016年1月の健康診断で左眼視力低下を指摘されるが放置。2017年2月近医受診し左眼MHを認めたため,手術目的で2017年4月紹介初診となった。初診時左眼視力0.1(矯正不能),最小円孔径505μmのstage 3MHを認めた。2017年6月左眼白内障・硝子体同時手術施行。ILMをMH上に翻転する本法を行った。術後ガス下の光干渉断層計(OCT)所見ではMHの閉鎖を確認できず,腹臥位継続を指示した。術後1週間,液下のOCTで非閉鎖のMH上に翻転したILMが確認された。術後1か月,2か月でも同様の所見を認めた。術後5か月でOCT上MHの閉鎖を認め,その後閉鎖を維持しており,左眼視力は0.1(矯正不能)である。本法施行後,非閉鎖の場合どの時期で再手術を行うべきか今後の検討が必要と思われた。
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