機器・薬剤紹介
35.パノラマ合成 OCT Angiography(ニデック)
平野 隆雄
1
,
村田 敏規
1
1信州大学眼科学教室
pp.283-288
発行日 2019年3月5日
Published Date 2019/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001090
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造影剤を用いることなく非侵襲的に脈絡網膜血管を描出可能な光干渉断層血管造影(optical coherence tomography angiography:OCTA)は2018年4月に保険収載されたこともあり多くの注目を集め,今後の眼科臨床に欠かせない検査となることが予想される。既存のOCTAの撮像範囲は3~6mm四方と狭く,糖尿病網膜症などでより広い範囲で網膜血管の状態を評価する際には,複数枚のOCTA画像を取得しマニュアルでパノラマ(海外ではMontageと呼称されることが多い)OCTA画像を作成するなどの工夫が行われてきた1)。しかしながら,マニュアルでのパノラマOCTA画像には作成に時間がかかることや,固視誘導の際に患者の協力が必要なため患者の負担が多くなること,層別に解析するためには各層ごとに画像を作成しなくてはいけないことなど,いくつかの問題点があった。近年,スウェプトソースの技術を生かした1枚あたりの撮影可能範囲の広角化やパノラマ自動合成ソフトの進歩により撮像範囲の問題は解決しつつある2)。各社からパノラマ自動合成OCTAソフトを搭載したOCT機器が販売されているが,本稿では2018年5月に上市された光干渉断層計RS-3000 Advance 2(株式会社ニデック,図1)について,その特徴・使用方法・代表症例画像を紹介する。
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