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第1土曜特集 自律神経のサイエンス
多岐にわたる自律神経の役割
眼自律神経障害からみたcomputer vision syndrome
-――生活習慣病としてのデジタル機器による視覚への影響
The influence of stress in modern era on autonomic nervous system and near response
原 直人
1
Naoto HARA
1
1国際医療福祉大学保健医療学部視機能療法学科
キーワード:
ストレス
,
近見反応
,
羞明
,
瞳孔
,
調節
Keyword:
ストレス
,
近見反応
,
羞明
,
瞳孔
,
調節
pp.639-645
発行日 2023年5月6日
Published Date 2023/5/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28506639
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ディスプレイやキーボードなどから構成されているデジタル機器を長時間使用するデスクワークに起因するvisual display terminals(VDT)作業は,これまでになかった質と量となった.デジタル機器の出現が100年前であるが,このわずかな時間に圧倒的に近見反応を酷使する生活スタイルとなった.近年,タブレット,電子書籍リーダーおよびスマートフォンなどが普及し,新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワーク普及とオンライン授業実施の拡大,そして2021年からのGIGAスクール構想の開始により,繰り返し・長時間曝露により近業時間が多くなり,近見反応の酷使が余儀なくされた.VDT症候群やcomputer vision syndromeは,眼精疲労や視覚関連症候群を発症させ,視覚系と眼自律神経系にさらなるストレス過剰な時代が続いている.現在ではスマホ内斜視やスマホ老眼といった疾患も発症してきており,近見反応がICT(information and communication technology)環境に適応してきている.本稿では,近見反応の酷使によるCVSの症状および発症機序,さらにICT環境に適応してきたことによるスマホ内斜視,そして画面からの光による自律神経への影響など新しい問題点を考えてみる.
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