Ⅰ.主訴からみた診断の進め方
1 見辛さ
飯島 裕幸
1
1山梨大学医学部眼科
pp.991-994
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000812
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手術目的で紹介された高齢の軽い白内障の患者の両眼の矯正視力が,いずれも0.7程度の軽度の不良であったので,どのように見辛いのかを尋ねたところ,「大好きな読書が困難になった」という。試しに+3Dの近用眼鏡を試したところ,満足いただいて手術は中止となった。このケースでは初診時の問診で,「見辛いのは遠くですか? 近くですか?」と尋ねておけば,老視による近方視困難が主訴であることに気づいて,軽症の白内障の手術を勧めることはなかったであろう。見辛さの内容を具体的に問う問診をするだけで解決するこのようなケースは少なくない。
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