私の経験
緑内障診断が困難な症例に対する磁気共鳴画像の有用性
市岡 伊久子
1
1市岡眼科(松江市)
キーワード:
緑内障
,
強度近視
,
視神経乳頭形状異常
,
MRI
,
STIR法
Keyword:
緑内障
,
強度近視
,
視神経乳頭形状異常
,
MRI
,
STIR法
pp.969-978
発行日 2018年9月5日
Published Date 2018/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000786
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目的:強度近視等視神経乳頭形状異常のため緑内障の判別がつきにくい症例に対し,磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging:MRI)を施行し,緑内障性視神経萎縮の判定の補助となるか検討した。
症例:眼底検査で緑内障が疑われ,鑑別が困難な2症例と前視野緑内障の疑いの1症例に頭部MRIの冠状断撮影,Short TI inversion Recovery法(STIR法)を用い視神経(O)と脳白質(W)の信号輝度比を測定し,視神経萎縮の有無を判定した。
結果:症例1では視神経/脳白質信号輝度比(O/W)は1以下と低く,視神経萎縮を認めず,症例2ではO/Wが1.4以上と高く,緑内障が疑われ,2回計測することで視神経萎縮の進行も認めた。前視野緑内障が疑われる症例3ではO/Wが1.7以上と視神経萎縮を認めた。
結論:緑内障の診断が困難な症例においてO/W測定は早期より視神経萎縮の検出が可能であり,緑内障診断の補助,治療方針の検討,患者への説明に有用であった。前視野緑内障の時点でO/Wが上昇している可能性があると考えられた。
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