綜説
ぶどう膜炎における全身検査の意義
竹内 大
1
1防衛医科大学校眼科
キーワード:
ぶどう膜炎
,
全身検査
Keyword:
ぶどう膜炎
,
全身検査
pp.237-241
発行日 2018年3月5日
Published Date 2018/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000586
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ぶどう膜炎のなかには,特発性虹彩毛様体炎のように点眼治療により数週間で治癒するものもあるが,日本の3 大ぶどう膜炎であるBehçet 病,サルコイドーシス,Vogt-小柳-原田病(以下,原田病)をはじめ,全身疾患に合併して発症するぶどう膜炎,後眼部,汎ぶどう膜炎の多くは,増悪,寛解を繰り返し,眼局所での治療に加え,全身炎症の活動性をコントロールしなければならない。また,眼内炎を含め感染性ぶどう膜炎であれば,その原因微生物を同定し,適切な治療を施さなければ一過性に悪化し,失明に至ることも少なくない。ぶどう膜炎の原因疾患は,約半数が同定不能であり,「ぶどう膜炎で全身検査を行ってもわかるのはサルコイドーシスぐらいじゃないか」と思われているかもしれないが,ぶどう膜炎で全身検査を行うのは診断のためだけではなく,炎症の活動性,検査,治療の適否を知るためにも必要であり,本項ではその意義について述べていきたい。眼内浸潤細胞は炎症ではなくとも網膜血管の破綻,新生血管をきたす疾患,悪性リンパ腫や白血病などの腫瘍性疾患などの非炎症性疾患でもみられ,まずは炎症性であるのか非炎症性であるのかを知る必要がある。
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