眼科手術の適応―最新情報
3.斜視 2)Plication手術
木村 亜紀子
1
1兵庫医科大学眼科学教室
キーワード:
plication
,
斜視手術
Keyword:
plication
,
斜視手術
pp.1053-1056
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000140
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短縮術は,まさしく外眼筋を縫い縮める手術である。短縮量の外眼筋を切り離して縫い縮めるため,外眼筋の中を走行する前毛様動脈の切断はやむを得ない。そのため3 筋同時手術は前眼部虚血の危険性が高まり,行ってはならない術式である。同一眼における3 筋目の手術は,術後少なくとも3 か月は期間を空けることが推奨されている。短縮術の手順が(施設により若干の相違はあるが),短縮したい量を外眼筋付着部からキャリパーを用いて測定し,筋の両端に糸を掛けてから切り離し,筋付着部までの余分な筋を切除し,元の付着部に縫着するのに対し,plication ではこの切り離す作業がない。そのため,絶対にロストマッスルにはならないという大きな利点がある。また,前毛様動脈を避けて縫合糸を掛ければ前眼部虚血を回避することもできる1)。このことから3 筋同時手術が可能となり2),難治性の斜視に対し複数筋の同時手術が可能となる。新たな術式としてのplication の利点は大きい。そこで,plication の実際とその問題点につき解説する。
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