特集 近視の進行をコントロールする
2.近視の進行メカニズム
世古 裕子
1
1国立障害者リハビリテーションセンター研究所 感覚機能系障害研究部(所沢市)
キーワード:
近視
,
メカニズム
,
実験近視
,
レチノイン酸
,
Wntシグナル
,
軟骨
Keyword:
近視
,
メカニズム
,
実験近視
,
レチノイン酸
,
Wntシグナル
,
軟骨
pp.867-872
発行日 2017年9月5日
Published Date 2017/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000109
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近視は屈折異常の一種であり,屈折要素すなわち角膜曲率・前房深度・水晶体厚・硝子体長などの変化によって網膜よりも前でピントが結ばれる状態である。近視は通常,屈折矯正によって網膜上でピントを結ばせることで矯正視力が良好になるが,強度の近視では眼軸が著明に延長しており,眼軸延長は強度近視に伴うさまざまな合併症の原因となる。合併症を伴う強度近視を病的近視とも呼び,失明の原因疾患の上位を占める。眼軸延長のメカニズムがわかれば,眼軸延長を制御し合併症に伴う失明を予防することにつながる。近視発症メカニズムは屈折要素すべての変化を含むが,ここでは主に眼軸延長メカニズムについて述べたいと思う。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.