特集 緑内障の非眼圧的要素
4.自己免疫機序と緑内障進行との関連
柏木 賢治
1
1山梨大学眼科
キーワード:
緑内障
,
自己免疫
,
アポトーシス
,
非眼圧依存危険因子
Keyword:
緑内障
,
自己免疫
,
アポトーシス
,
非眼圧依存危険因子
pp.597-603
発行日 2017年6月5日
Published Date 2017/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000054
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緑内障の最も重要な危険因子は眼圧であることは確かであるが,眼圧下降に十分に反応しない症例が一定数存在することは明らかである。また同一症例においても緑内障の進行状況に応じて,眼圧をより強力に下降させることが推奨されており,緑内障における眼圧の役割は一定ではないと考えられる。特に本邦においては原発開放隅角緑内障の大多数が正常眼圧緑内障であり,緑内障の発症や進行には眼圧以外の血流障害をはじめとしてさまざまな要因が関与する可能性が指摘されてきている。以前から一部の緑内障患者において自己免疫疾患の有病率が高いなど自己免疫が緑内障の発症や進行に関係していることを示唆する多くの報告があったが1)〜4),近年緑内障の発症や進行における自己免疫の役割が注目されている5)6)。本稿では緑内障と自己免疫との関連性について総括を行い,緑内障診療における自己免疫の役割を検討したい。なお,ここでは自己免疫疾患による明らかな続発緑内障や自己免疫疾患に対するステロイド薬投与による続発緑内障は解説の対象とはしていないことにご注意いただきたい。
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