症例
フィラリア性乳び尿に対するリンパ管造影の1例
馬越 紀行
1
,
櫻井 淳
,
平木 隆夫
,
藤原 寛康
,
生口 俊浩
,
郷原 英夫
,
金澤 右
1岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科放射線医学
キーワード:
Diethylcarbamazine
,
Doxycycline
,
エチヨード化油
,
バンクロフト糸状虫
,
検尿
,
後腹膜腔
,
腎臓疾患
,
象皮病-糸状虫性
,
多剤併用療法
,
リンパ管造影
,
リンパ系疾患
,
瘻孔
,
外国人
,
ネパール
,
腹部CT
Keyword:
Diethylcarbamazine
,
Drug Therapy, Combination
,
Elephantiasis, Filarial
,
Doxycycline
,
Fistula
,
Kidney Diseases
,
Nepal
,
Lymphatic Diseases
,
Lymphography
,
Retroperitoneal Space
,
Wuchereria bancrofti
,
Urinalysis
,
Ethiodized Oil
pp.1169-1172
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017017045
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症例は30歳代男性で、5年前にネパールから来日した。1週間前から白濁尿と全身倦怠感が出現した。尿から脂肪成分を検出し、乳び尿と診断した。臨床像からフィラリア症の可能性を疑い、夜間に血液検体を採取したところ、血液塗抹標本にてフィラリア虫体を確認した。さらに、遺伝子解析によりバンクロフト糸状虫症によるフィラリア性乳び尿と確定診断した。抗フィラリア薬であるジエチルカルバマジンクエン酸塩およびドキシサイクリン塩酸塩水和物の内服療法を行い、末梢血中のミクロフィラリアが消失したことを確認した。また乳び尿も消失したが、治療後1年で乳び尿の再燃を認めた。リンパ管造影検査後3日間程度は乳び尿の消失を認めたが、その後乳び病の再燃を認めた。高脂血症用剤のエゼチミブ内服で経過観察となったが、効果は不十分であった。フィラリア症再燃の可能性を疑い、ジエチルカルバマジンを再開したところ、乳び尿も改善した。
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