Melkersson-Rosenthal症候群

＜症例のポイント＞初診の数年前より口唇に腫脹と皮下結節の出現を繰り返していた。皮膚生検にて類上皮細胞性肉芽腫を認め、肉芽腫性口唇炎(cheilitis granulomatosa:CG)と診断した。トラニラスト内服にて口唇の皮下腫瘤はいったん消失したが、1年後、下顎に皮下結節と左顔面神経麻痺が出現した。Melkersson-Rosenthal症候群(MRS)を疑い、皮膚生検を行ったところ、前回と同様の類上皮細胞性肉芽腫を認めた。全身検索を行ったが、サルコイドーシスや結核などの肉芽腫性疾患は認めなかった。皮膚･腸･鼻腔の抗酸菌培養も陰性でMRSと診断した。ステロイドパルス療法とトラニラストの内服を行い、徐々に顔面神経麻痺の改善を認めた。