特集 大腿骨転子部骨折治療のpitfall
大腿骨転子部骨折成績不良例に対するarthroplastyのtips & pitfalls
中村 宣雄
1
,
前田 ゆき
,
濱脇 誠
1協和会病院 人工関節センター
キーワード:
偽関節
,
股関節部骨折
,
再手術
,
術後合併症
,
大腿骨頭壊死
,
日常生活活動
,
治療成績
,
股関節置換術
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Femur Head Necrosis
,
Hip Fractures
,
Reoperation
,
Postoperative Complications
,
Pseudarthrosis
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.1643-1646
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2017094323
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大腿骨転子部骨折の骨接合術後における成績不良例に対して、著者らの施設では主に通常型セメントステムを用いて骨温存を目指した再建術を行っている。2012年以降に行なった大腿骨転子部骨折術後障害による再手術は7例(男性1例・女性6例、手術時平均年齢82歳)で、再手術の原因は偽関節が4例、骨折部の早期転位が2例、大腿骨頭壊死が1例であった。初回手術から再手術までの期間は1~11ヵ月(平均4ヵ月)で、手術方法は寛骨臼の軟骨異常がない3例には人工骨頭置換術を、それ以外には人工股関節全置換術(THA)を行い、ステム側の固定には骨質良好と判断した男性のTHA 1例のみセメントレス固定、残りの症例には全てセメントを用いた。術後の平均経過観察期間14ヵ月の結果、転倒によるステム周囲骨折にて再置換術を行ったハイブリッドTHAの1例を除き、脱臼その他の合併症はなく、術後ADLも改善していた。X線学的にもインプラントの緩みはなく、セメントステムによる術後1年以上フォローした偽関節症例においては偽関節部の骨癒合が観察された。
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