発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008049455
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34歳女。患者は低K血症を主訴とした。1999年から尿蛋白を指摘されていた。検査所見では血圧正常、低K血症、尿中K上昇、代謝性アルカローシス、高レニン症、高アルドステロン血症を呈し、Gitelman症候群が疑われた。生下時・発育に問題はなく、低Mg血症、尿中Ca排泄の減少を認めた。サイアザイド負荷試験では、尿中Na、Cl排泄率は変化せず、尿中K排泄のみが上昇し、Gitelman症候群に一致する所見であった。持続尿蛋白陽性が、本症候群に起因するのかを鑑別するため、腎生検を施行した。その結果、同症候群に合致する所見と、巣状糸球体硬化症(FGS)を疑わせる所見を認めた。低K血症に対しK製剤投与を開始したが血清Kコントロール不良で、spironolactoneを併用したところ、良好なコントロールが得られた。更にdilazep投与も行ない、尿蛋白は減少、血清Crの上昇もなく経過良好である。尚、Gitelman症候群に腎糸球体疾患を合併した既報は、国内外を通じて1例のみであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007