臨床研究
3Dプリンターを用いた肝臓模型の作成ならびに手術ナビゲーション
川原 隆一
1
,
新井 相一郎
,
小嶋 聡生
,
安陪 等思
,
奥田 康司
1久留米大学 医学部外科学講座
キーワード:
医学教育
,
肝切除
,
肝臓
,
コンピュータ画像処理
,
解剖模型
,
マルチスライスCT
,
コンピュータ支援手術
,
三次元プリント技術
Keyword:
Education, Medical
,
Hepatectomy
,
Image Processing, Computer-Assisted
,
Liver
,
Models, Anatomic
,
Surgery, Computer-Assisted
,
Printing, Three-Dimensional
,
Multidetector Computed Tomography
pp.189-196
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2017229639
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肝切除症例のMDCTから得られたDICOMデータを用いて、動脈・門脈・肝静脈・腫瘍の3D画像を作成後、サーフェイス処理を行いSTLファイルに変換した。STLファイルを3Dプリンター内の変換ソフトを使用し脈管と腫瘍のモデルを作成した。3Dソフト内でフュージョンしモデルサイズを50〜70%で出力した。症例は73歳男性で、肝S7:3cm、S7/8:1.8cmのHCCに対し後区域切除を行ったが、腫瘍は離断面近傍にあり、術前の3D画像上の離断イメージと実際の離断面が異なった。3D画像上で想定した離断面は直線的と考えられた。3Dモデルでは、3D画像イメージより実際の手術に近い離断面を想定できた。ナビゲーションモデルを後ろ向きに10例作成し術者の感想は概ね良好であったため、術中に使用した。回転や多角度の観察は3Dモデルのほうがスムーズに行えた。また、術中超音波検査も3Dモデルを参考とすることで、脈管や腫瘍の位置関係確認に有用であった。
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