原著
初心者にとって腹腔鏡下子宮全摘術での尿管子宮動脈同定分離が難しいのはなぜか
森 篤
1
,
西澤 千津恵
,
山本 さやか
,
佐近 普子
,
高木 偉博
,
飯高 雅夫
1長野市民病院 婦人科
キーワード:
結紮
,
子宮摘出術
,
尿管
,
腹腔鏡法
,
時間因子
,
子宮動脈
Keyword:
Hysterectomy
,
Ligation
,
Laparoscopy
,
Ureter
,
Time Factors
,
Uterine Artery
pp.1563-1566
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017031844
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腹腔鏡下子宮全摘術(Total Laparoscopic Hysterectomy;TLH)での尿管子宮動脈の同定分離操作は初心者にとって難しいことがあり、今回、その要因を明らかにすることを目的に、TLHを執刀し始めた医師3名のTLH12例(症例はいずれも子宮頸部上皮内腫瘍)・計24動作について、後方アプローチでの尿管子宮動脈同定分離に要した時間を計測し、10分以上かかった操作についてその問題点を検討した。その結果、子宮頸部近傍でこの操作を行うと、尿管と子宮動脈の区別がつきにくいこと、出血しやすいこと、尿管が子宮広間膜から離れるので尿管の位置を見失いやすいことなどの問題が起きることが分かった。そのため、初心者が後方アプローチで尿管子宮動脈の同定分離操作を行う際には、子宮頸部から離れた位置でこの操作を行うよう指導すべきと考えられた。
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