臨床経験
妊娠時における無症状・軽症の筋強直性ジストロフィーの診断に関する検討
萩原 聡子
1
,
石川 浩史
,
長瀬 寛美
,
望月 昭彦
,
小田上 瑞葉
,
板井 俊幸
,
小清水 菜穂
,
豊島 勝昭
,
黒澤 健司
1神奈川県立こども医療センター 母性内科
キーワード:
Ritodrine
,
筋緊張性ジストロフィー
,
妊娠合併症
,
後向き研究
,
妊娠転帰
,
無症候性疾患
,
高クレアチンキナーゼ血症
Keyword:
Myotonic Dystrophy
,
Pregnancy Complications
,
Pregnancy Outcome
,
Retrospective Studies
,
Ritodrine
,
Asymptomatic Diseases
pp.985-990
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016357560
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妊娠・分娩を契機に筋強直性ジストロフィー(DM1)と診断された母体12例について、母児の臨床所見、妊娠分娩経過を後方視的に検討した。母体の臨床所見は無症状~軽微で妊娠中に羊水過多・切迫早産を認め、初めて本症を疑われた症例が多く、症状のない母体DM1の診断は困難であった。胎児所見では羊水過多~羊水増加傾向以外に胎児脳室拡大を高率に認め、新生児は全例先天性筋強直性ジストロフィーでほとんどが34週以降の分娩であったにもかかわらず、重症新生児仮死の割合が高かった。また、DM1患者では塩酸リトドリン投与後の高CK血症を高率に認め、塩酸リトドリン投与中のCKモニタリングは無症状のDM1の早期診断に有用である可能性が示唆された。
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