特集 野球肘診療の最前線
多血小板血漿(PRP)療法の靱帯損傷に対する効果−野球選手の肘尺側側副靱帯(UCL)損傷に対して−
山田 慎
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1医療法人鉄蕉会亀田メディカルセンタースポーツ医学科/関節機能再建センター
キーワード:
野球選手(baseball player)
,
肘内側尺側側副靱帯損傷(ulnar collateral ligament injury)
,
多血小板血漿(platelet-rich plasma;PRP)療法
Keyword:
野球選手(baseball player)
,
肘内側尺側側副靱帯損傷(ulnar collateral ligament injury)
,
多血小板血漿(platelet-rich plasma;PRP)療法
pp.990-998
発行日 2025年10月19日
Published Date 2025/10/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000002294
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多血小板血漿(platelet-rich plasma;PRP)療法は,組織修復および抗炎症作用を促し,肘内側尺側側副靱帯(ulnar collateral ligament;UCL)再建術と比較して治療期間の短縮が期待される新たな治療法である。近年の報告では,UCL損傷に対するPRP療法は短期間での高い復帰率を示しており,注目を集めている。また,MRIによる画像評価においても,PRP治療群は非治療群と比較して有意に高い改善率を示し,PRPがUCLの組織修復を促進する可能性が示唆された。PRP療法の適応,手技,効果については臨床研究の蓄積が進む中で,その有効性は少しずつ解明されつつある段階にある。

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