投球障害

スポーツに関するさまざまな分野からの科学的な研究が進み,かつての気合,根性の時代ではなくなった。体のトレーニング方法,メンテナンス方法も研究され,実際に取り入れられている。スポーツでは,その程度はさまざまであるが,非日常的なストレスが身体に加わる。骨折,脱臼,筋･腱断裂など外傷性(急性)のものも当然ながら生じるが,繰り返す動作のなかで,スポーツ特有の慢性的な障害が生じる。これは年齢やキャリアによっても異なる。本稿では投球動作を主体に取り上げ,特有の肩関節,肘関節での慢性的な障害について画像所見,臨床的特徴を中心に概説したい。