特集 Onco-Cardiologyの新展開
治す 癌患者の非心臓手術における合併心疾患の評価と管理
北原 康行
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 循環器内科
キーワード:
腫瘍
,
心臓疾患
,
術前評価
,
心不全
,
不整脈
,
心筋虚血
,
周術期管理
,
静脈血栓塞栓症
Keyword:
Arrhythmias, Cardiac
,
Heart Diseases
,
Heart Failure
,
Neoplasms
,
Myocardial Ischemia
,
Perioperative Care
,
Venous Thromboembolism
pp.151-156
発行日 2018年2月9日
Published Date 2018/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018122108
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さまざまな技術の進歩により低侵襲な手術療法が可能となってきており、以前には行われなかった高齢癌患者や心疾患を合併した癌患者が手術対象とされるようになってきている。しかしながら、癌治療は心血管疾患の危険因子であることが示され、また、癌患者では静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)が多く発生することが知られている。癌手術後ではVTE発生率が高く、主要な死亡原因であると報告されている。癌手術時にはVTEを含めた心血管疾患管理が重要である。一般手術においても周術期心筋虚血や不整脈、心不全などの重篤な合併症が発生することがあり、可能な限り周術期の心血管リスクは事前に評価されるべきである。一方で、癌患者では出血リスクが高いことが知られており、抗血栓薬の使用には注意が必要である。本稿では癌手術前の心機能評価方法や抗血栓薬の対応方法、ならびに周術期の対応をどのように行うのか概説する。
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