特集 性決定分化の制御システム:疾患性差・性転換をもたらす♂化・♀化のせめぎ合い
難治性心疾患と性差
木村 彰方
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所 分子病態分野
キーワード:
QT延長症候群
,
冠状動脈硬化症
,
心筋症-拡張型
,
心臓疾患
,
心不全
,
性因子
,
遺伝子多型
,
変異
,
不整脈
,
遺伝的素因(疾患)
,
性決定過程
,
Brugada症候群
,
心筋症-肥大性-家族性
Keyword:
Arrhythmias, Cardiac
,
Cardiomyopathy, Dilated
,
Coronary Artery Disease
,
Heart Diseases
,
Heart Failure
,
Long QT Syndrome
,
Mutation
,
Polymorphism, Genetic
,
Sex Factors
,
Sex Determination Processes
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Cardiomyopathy, Hypertrophic, Familial
,
Brugada Syndrome
pp.203-209
発行日 2013年1月22日
Published Date 2013/1/22
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一般に疾患の発症や進行性には性差がないが,明らかな性差が観察されることが知られている疾患がある.生殖器・性腺疾患や性によって形態が異なる乳腺などの疾患では著しい性差があり,これらでは組織構成の特徴や性ホルモンによって性差が構築されている.また,心筋梗塞や狭心症などの基盤となる冠動脈硬化症,重症心不全を来す心筋症などの難治性心疾患は男性に多い.一方,突然死を来す不整脈疾患については,QT延長症候群は女性に多く,ブルガダ症候群は男性に多い.このように同一カテゴリーに属する疾患でもまったく異なる性差が観察される.本稿では,難治性心疾患における性差とその分子機序について,特に心筋症を中心にその研究の現況を紹介する.
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