特集 震災時における循環器医療を改めて考える
識る 事業継続計画に基づく病院災害対応とはどのようなものか
田原 良雄
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1国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門心臓血管系集中治療科
キーワード:
災害対策
,
病院管理
,
緊急対応能力
Keyword:
Disaster Planning
,
Hospital Administration
,
Surge Capacity
pp.1137-1142
発行日 2017年12月9日
Published Date 2017/12/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018060334
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大地震などの自然災害、インフルエンザなどの感染症のまん延、テロなどの事件、大事故など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順などを示した計画のことを事業継統計画(business continuity plan:BCP)とよぶ。このBCPは、海外を発祥としている。2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロにおいて、BCPを導入していた企業とそうでない企業との間で、業務再開時間に大きな差があったことから急激に注目を浴びるようになり、日本でも徐々に浸透してきた。東日本大震災による経済活動の大混乱の教訓から、政府・自治体が中心となり「企業の生き残り対策」としてBCPの積極的推進活動がはじまり、その周知と導入が急速に広まっている。地震など緊急時には、平常時とは異なる多くの判断が求められることになるため、平常時から「被災時に事業をどのように早く復旧させるのか?」、「そのために何を準備し、取り決めておくのか?」などの対策を検討し、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが大切である。これらのことは病院の災害対応も例外ではない。本稿では、一般企業と病院BCPの相違、BCPと防災計画の違い、発災前の平時における病院としての災害対応をどのように行っていくか?について概説する。
(刊行時の通巻頁数に誤りがありました。本文は修正後の通巻頁数が表示されています。)
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