特集 震災時における循環器医療を改めて考える
治す 震災時における学会の役割
朔 啓二郎
1
,
天野 高志
1福岡大学 医学部
キーワード:
医学会
,
災害対策
,
情報サービス
,
心臓血管疾患学
,
インターネット
,
多機関医療協力システム
,
多部門連携
,
熊本地震
,
エコノミークラス症候群
Keyword:
Intersectoral Collaboration
,
Cardiology
,
Disaster Planning
,
Information Services
,
Multi-Institutional Systems
,
Societies, Medical
,
Internet
pp.1164-1169
発行日 2017年12月9日
Published Date 2017/12/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018060338
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2016年4月14日より発生した平成28年(2016年)熊本地震(以後、熊本地震)において、日本循環器学会は即日、九州支部長・循環器救急医療委員長をリーダーとし、熊本地震被害者救済プロジェクトチームを発足した。日本循環器学会代表理事、九州の大学病院の循環器内科教授、循環器救急医療委員会のメンバー、熊本大学のスタッフ、および学会理事の間でメーリングリストを作成し情報を共有した。震災支援循環器ネットワーク構築は、2011年3月11日の東日本大震災の経験を活かし、前回同様インターネット上でさまざまな情報を公開した。ホームページには、災害時循環器疾患の管理・予防に関するガイドラインの紹介、九州地区における後方支援可能な病院情報の発信(前回にならいGoogle mapシステムを利用し、転院受け入れ・医師派遣の可否などの後方支援)などを行った。また、一般の方向けに、1)避難所における循環器疾患の予防のための注意循環器系学会からエコノミークラス症候群の予防についての注意とお知らせ災害時の栄養管理について公開した。厚生労働省・熊本県・熊本市からの要請を受け、学会として医師派遣に尽力した。後方支援可能な病院より医師・臨床検査技師・看護師などを派遣(4月・5月・9月派遣、延べ人数74名)し、熊本県の避難所・車中泊の場所においてエコノミークラス症候群のチェック、予防啓発活動を行った。派遣者には傷害保険を学会から加入、その他、AED(自動体外式除細動器)の自治体への無償提供、被災地向け啓発ポスターの作成などを行った。
(刊行時の通巻頁数に誤りがありました。本文は修正後の通巻頁数が表示されています。)
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.