特集 新規糖尿病薬は心血管イベントの抑制にどうかかわるか
識る 糖尿病による心不全発症の機序 糖尿病性心筋症とは
坂東 泰子
1
,
室原 豊明
1名古屋大学 大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
心不全
,
糖尿病
,
糖尿病性血管障害
,
発生率
,
ミトコンドリア
,
予後
,
耐糖能障害
,
心室リモデリング
,
血行力学
,
心不全-拡張期
,
糖尿病性心筋症
,
心房リモデリング
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Diabetic Angiopathies
,
Hemodynamics
,
Heart Failure
,
Mitochondria
,
Prognosis
,
Incidence
,
Glucose Intolerance
,
Ventricular Remodeling
,
Diabetic Cardiomyopathies
,
Heart Failure, Diastolic
,
Atrial Remodeling
pp.830-836
発行日 2017年8月9日
Published Date 2017/8/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017390470
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糖尿病と心不全は双方向性に密接な関係にあることが知られている。糖尿病患者では心不全発症率が,糖尿病が合併しない心不全患者に比べ有意に高く,また生命予後も有意に不良となることが国内外で広く報告されている(図1)。一方で,心不全患者には糖尿病もしくは耐糖能異常を合併する患者が非心不全患者に比べ有意に多いこともまた知られている。この病態の1つとして知られるのが,糖尿病性心筋症であろう(図2)。本稿では,糖尿病が心臓の構造や機能にどのように直接的に影響するのか,その病理学的特徴ならびに血行動態的特徴について紹介し,糖尿病性心筋症への理解を深める一助としたい。
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