特集 新規糖尿病薬は心血管イベントの抑制にどうかかわるか
識る 循環器疾患抑制を見据えた血糖管理法とは
石井 克尚
1
1関西電力病院 循環器内科
キーワード:
Metformin
,
インスリン抵抗性
,
血糖
,
血糖降下剤
,
高血糖症
,
心臓血管疾患
,
心不全
,
低血糖症
,
糖尿病-2型
,
動脈硬化症
,
酸化ストレス
,
Pioglitazone
,
SGLT2 Inhibitors
Keyword:
Pioglitazone
,
Sodium-Glucose Transporter 2 Inhibitors
,
Arteriosclerosis
,
Blood Glucose
,
Cardiovascular Diseases
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Hyperglycemia
,
Hypoglycemia
,
Hypoglycemic Agents
,
Heart Failure
,
Insulin Resistance
,
Metformin
,
Oxidative Stress
pp.820-829
発行日 2017年8月9日
Published Date 2017/8/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017390469
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2型糖尿病患者の最大の死因は心血管事故である。2型糖尿病患者の生命予後の改善を図るためには動脈硬化の進展を予防し,心血管事故を減らすことを治療目標とすべきである。その場合,治療ターゲットとなるのはインスリン抵抗性である。インスリン抵抗性のために,高インスリン血症,食後高血糖,脂質異常症(高中性脂肪血症,低HDL血症),酸化ストレスの亢進などが生じ,動脈硬化の引き金となる。さらに,心不全とインスリン抵抗性の関係も指摘されている。心不全患者はインスリン抵抗性を示すことが多く,逆にインスリン抵抗性が心不全の誘因になることがわかってきた。高血糖が腎障害,神経障害,血管障害をもたらすことは周知の事実であるが,血糖値の上昇を伴わない患者に心血管事故が起きている多くの報告がある。今回,このような見地から循環器疾患抑制を見据えた血糖管理法について述べてみたい。
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