特集 循環器疾患における栄養管理・食事指導を識る
治す 高血圧・心不全と減塩
土橋 卓也
1
1製鉄記念八幡病院
キーワード:
家族特性
,
減塩食
,
高血圧
,
食塩
,
食行動
,
心不全
,
臨床試験
,
高齢者
,
再入院
,
年齢因子
,
栄養指導
,
チェックリスト
,
高血圧-食塩感受性
Keyword:
Age Factors
,
Aged
,
Diet, Sodium-Restricted
,
Clinical Trials as Topic
,
Family Characteristics
,
Feeding Behavior
,
Hypertension
,
Heart Failure
,
Patient Readmission
,
Sodium Chloride, Dietary
,
Checklist
pp.663-668
発行日 2017年6月9日
Published Date 2017/6/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017260972
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高血圧は全国に4,300万人いると推定されている最も多い生活習慣病である。超高齢社会を迎えたわが国において,高齢者の高血圧や心不全は日常診療で高頻度に遭遇する疾患であり,今後さらに増加することが予想される。日本人の食塩摂取量は徐々に減少傾向をみせているものの依然として多く,厚生労働省が提示する目標を達成するには,国民レベルでの戦略の構築が必要である。さらに高血圧患者の減塩目標である6g/日未満の達成はきわめて困難な状況といわざるを得ない。日本人は食塩の過剰摂取によって血圧が上昇しやすい,すなわち食塩感受性が高い民族であり,また加齢に伴って食塩感受性も高くなることから,高齢者においても減塩の意義はきわめて大きい。高齢者における減塩の有用性と安全性は報告されているが,一方で,特に心不全合併例では,フレイルと称される心身の機能が低下し,生活機能が障害された患者も少なくないことから,減塩指導に際しては,エネルギーやほかの栄養素にも配慮し,低栄養をきたさない適切な食事指導を行うことが重要である。本稿では,高血圧・心不全における減塩指導についてその意義や実践面での課題なども含めて概説する。
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