特集 循環器疾患における栄養管理・食事指導を識る
識る 循環器疾患とサプリメントに関するエビデンスを識る
中神 啓徳
1
,
森下 竜一
1大阪大学 大学院医学系研究科健康発達医学寄附講座
キーワード:
Cytochrome P-450
,
Quercetin
,
脂質異常症
,
心臓血管疾患
,
臨床試験
,
Evidence-Based Medicine
,
食品薬物相互作用
,
栄養補助食品
,
特定保健用食品
,
Beta-Glucans
,
3,4-Dihydroxyphenylethanol
,
機能性表示食品
Keyword:
Cardiovascular Diseases
,
Cytochrome P-450 Enzyme System
,
Clinical Trials as Topic
,
Quercetin
,
Food-Drug Interactions
,
Evidence-Based Medicine
,
Dietary Supplements
,
beta-Glucans
,
Dyslipidemias
,
3,4-dihydroxyphenylethanol
pp.630-635
発行日 2017年6月9日
Published Date 2017/6/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017260967
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平成27年4月に開始された「機能性表示食品」制度により,事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を消費者庁長官に届け出ることによって,国による個別審査を経ることなく機能性を表示できることとなり,従来の特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品に限られていた「おなかの調子を整えます」などといった機能性表示食品が増えることとなった。これまでの保健機能食品においては,特定保健用食品は表示されている効果や安全性について国が審査を行い,食品ごとに消費者庁長官が許可を与えていたが,許可手続きに時間と費用を要することが指摘されていた。また,栄養機能食品においては,科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量を含む食品であれば特に届出をしなくても機能性を表示できたが,この対象はミネラル5種類とビタミン12種類に限定されていた。今回,新しい保健機能食品として機能性表示食品が加わった(図1)。この機能性表示食品制度の導入は,正しい情報から消費者が商品を選択できるように促す取り組みであり,事業者は自らの責任において科学的根拠を元に適正な表示を行う必要がある。一方で消費者も情報を読み理解する能力が求められることなり,今後はサプリメントを始めたとした補助食品の判断材料としてのエビデンスも必要となってくる時代になったと痛感する。そこで,本稿では循環器領域における機能性食品およびサプリメントの情報を提供し,代表的なエビデンスを提示したい。
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