特集 循環器疾患における栄養管理・食事指導を識る
治す 循環器疾患予防のための肥満症対策
宮崎 滋
1
1結核予防会総合健診推進センター
キーワード:
運動療法
,
危険因子
,
死亡率
,
食事療法
,
心臓血管疾患
,
体重減少
,
診療ガイドライン
,
BMI
,
生活習慣病
,
肥満症
,
腹腔内脂肪
Keyword:
Cardiovascular Diseases
,
Diet Therapy
,
Exercise Therapy
,
Mortality
,
Obesity, Morbid
,
Risk Factors
,
Weight Loss
,
Body Mass Index
,
Practice Guidelines as Topic
,
Intra-Abdominal Fat
pp.636-643
発行日 2017年6月9日
Published Date 2017/6/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017260968
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肥満の増加は今やグローバル問題になっており,その結果,心血管疾患だけでなく脳血管疾患や悪性腫瘍,認知症の増加にも関連していることがわかっている。日本でも肥満者の割合は増加している。特に男性では30~40歳代から,女性では50~60歳代からの増加が認められる。肥満はBMI 25以上と定義されている。BMIは身長に比べ体重が重いことを意味しているだけで,治療が必要な肥満症であるかを決めるものではない。肥満症は「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか,その合併が予測される場合で,医学的に減量を必要とする病態」と定義されている。BMIの増加に伴い心血管疾患を起こしやすい糖尿病や脂質異常症,高血圧などのいわゆる生活習慣病が合併することが多く,引き続いて動脈硬化を発症,進展し,最終的には心血管疾患が増加し,心血管疾患に起因する死亡率が増加する。現在では肥満に起因する疾患の多くは内臓脂肪蓄積が関与していることが明らかになっており,体重減少,特に内臓脂肪蓄積の減少を目的にした治療を行う。本稿では2016年に発表された肥満症診療ガイドライン2016に沿って循環器疾患予防のための肥満症対策について概説する。
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