特集 右心不全を考える
識る 成人先天性心疾患における右心不全にどう対処すべきか
相馬 桂
1
,
八尾 厚史
1東京大学 医学部循環器内科
キーワード:
Eisenmenger症候群
,
Fallot四徴症
,
心臓疾患-先天性
,
心臓外科
,
心不全
,
心房中隔欠損
,
大血管転位症
,
肺動脈弁閉鎖不全症
,
右心室機能障害
,
診療ガイドライン
,
心臓再同期療法
,
心臓カテーテル
,
単心室
Keyword:
Univentricular Heart
,
Eisenmenger Complex
,
Cardiac Surgical Procedures
,
Heart Defects, Congenital
,
Heart Failure
,
Heart Septal Defects, Atrial
,
Pulmonary Valve Insufficiency
,
Transposition of Great Vessels
,
Tetralogy of Fallot
,
Practice Guidelines as Topic
,
Ventricular Dysfunction, Right
,
Cardiac Catheters
,
Cardiac Resynchronization Therapy
pp.36-43
発行日 2018年1月9日
Published Date 2018/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018088785
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先天性心疾患(congenital heart disease:CHD)の頻度は出生児の約1%であり、その診断および手術技術の進歩により、患者の90%以上が成人期を迎えられるようになった1)。多くの症例が成人期に到達できるようになった一方で、いまだ成人先天性心疾患(adult congenital heart discase:ACHD)患者の予後は一般の生命予後よりも短く、小児期には無症状であった先天性心疾患患者が加齢とともに心不全をきたすことも多い。ACHD患者の心不全の原因には、遺伝的な要素と後天的な要素(圧容量負荷・外科的侵襲・心筋障害)に加え、心血管構造異常に由来するもの(体心室右室、単心室症、シャントなど)がある。解剖学的右室が体心室を担う体心室右室形態で心不全発症率は高く、また、肺心室としての右室機能が予後に重要な影響を及ぼすことも多い。ACHDにおいて右室機能は、生活の質(quality of life:QOL)、生命予後、致死性不整脈の発生、再手術の必要性にかかわる重要な因子である。本稿ではACHDにおける右室機能の重要性とその評価法・対処法を概説する。
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