特集 成人先天性心疾患 正確な患者評価から適切な治療へ
識る 成人先天性心疾患診療におけるエビデンス これまでとこれから
福田 旭伸
1
,
水野 篤
,
丹羽 公一郎
1聖路加国際病院 心血管センター
キーワード:
心臓疾患-先天性
,
Evidence-Based Medicine
,
多施設共同研究
,
ファクトデータベース
,
登録
Keyword:
Heart Defects, Congenital
,
Registries
,
Multicenter Studies as Topic
,
Databases, Factual
,
Evidence-Based Medicine
pp.484-488
発行日 2017年5月9日
Published Date 2017/5/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017220948
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小児循環器診療の発展により1970年ごろまでは救命が困難であった先天性心疾患(congenital heart disease;CHD)患者の多くが現在では救命され,CHD出生患児の90%以上が成人に達する。そのため,成人先天性心疾患(adultcongenital heart disease;ACHD)患者は増加の一途であるが,多くのACHD患者は遺残病変や新たに生じる続発症により生涯にわたる経過観察を余儀なくされ,長期を見据えた診療を行う必要となる。しかしながら,多様性に富むACHD患者の管理や診療に関する質の高いエビデンスは乏しく,主要施設間でも診療方針が異なることも多い。そこで,本稿ではエビデンスに基づく医療(evidence based medicine;EBM)時代におけるACHD診療のエビデンスを構築するにあたっての課題と解決策を,わが国ならびに国際的な取り組みを例に挙げながら概説する。
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