臨床と研究
臨床データベースへの入力からみえるわが国の診療提供体制 施設診療科調査報告
高橋 新
1
,
平原 憲道
,
宮田 裕章
,
小野 稔
,
後藤 満一
,
岩中 督
1東京大学 医療品質評価学講座
キーワード:
質問紙法
,
医師
,
腫瘍
,
心臓疾患
,
病院医事部門
,
ファクトデータベース
,
登録
,
カンファレンス
Keyword:
Admitting Department, Hospital
,
Heart Diseases
,
Neoplasms
,
Registries
,
Surveys and Questionnaires
,
Physicians
,
Databases, Factual
pp.285-297
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016152971
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2014年10月~2015年1月に実施したNational Clinical Database(NCD)施設診療科調査の結果を報告した。有効回答は診療科5672ヶ所中2097ヶ所(37.0%)より得られた。診療を行っている疾患およびNCDに登録している領域で最も多いのは食道癌であった。NCDに関する認知度については、「科のほぼすべての医師が知っている」と回答した診療科が最も多かった。症例登録の入力時期は「入力情報がある程度確定した後に入力している」が最も多かった。2011年度調査結果と比較すると、入力にかかわる職種については、診療科に所属する医師や事務専門職の関与が増加していた。入力手順に関しては、電子カルテなどの診療情報システムの活用が増加していた。診療提供体制に関しては、ガイドラインに準じた診療内容を「施設として推奨し、判断を統一している」と回答する割合が多かった。心臓領域におけるカンファレンスの開催状況については、「症例検討カンファレンス」は9割以上の診療科で週1回以上開催されており、「ハートチームカンファレンス」は6割以上の診療科で週1回以上開催されている結果であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016