特集 循環器疾患を有する患者の妊娠・出産
治す 循環器疾患合併妊婦の妊娠・分娩管理 不整脈
立野 滋
1
1千葉県循環器病研究センター 小児循環器科
キーワード:
抗不整脈剤
,
人工心臓ペーシング
,
抗血栓剤
,
電気的除細動
,
妊娠合併症-心臓血管系
,
不整脈
,
カテーテルアブレーション
,
植込み型除細動器
,
心房内血栓症
Keyword:
Anti-Arrhythmia Agents
,
Arrhythmias, Cardiac
,
Cardiac Pacing, Artificial
,
Electric Countershock
,
Fibrinolytic Agents
,
Pregnancy Complications, Cardiovascular
,
Catheter Ablation
,
Defibrillators, Implantable
pp.403-408
発行日 2017年4月9日
Published Date 2017/4/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017201294
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治療を要する不整脈は器質的心疾患のない妊婦の場合はまれであるが,器質的心疾患を有する場合には,発症頻度が高くなる。近年,リウマチ性弁膜症は激減したが,成人となる先天性心疾患が増加し,多くが妊娠・出産が可能となり不整脈を合併することも多くなった。不整脈を合併するのは複雑先天性心疾患が多く,1995年ごろに複雑先天性心疾患に対する外科成績が安定したと仮定すると,40年後の2035年までは複雑先天性心疾患患者の妊娠が増加していくと予想され,不整脈の発症も増加する。妊娠中の検査・治療は,胎児への催奇形性,成長への悪影響から制限されるため,妊娠前に非薬物治療が行われることが望ましいが,妊娠中に初めて診断されることも少なくない。年々進歩する不整脈治療,そして集積されるエビデンスを基に,より安全かつ有効な治療法を提供することが望まれる。
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