- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
従来,ペースメーカ植込み患者に対してのMRI撮像は禁忌とされてきた。しかし, 2012年10月に“条件付き”で1 . 5 T(tesla)でのMRI検査が可能なMRI“対応”ペー スメーカが認可され,2016年9月現在では5社からMRI“対応”ペースメーカが 発売されている。また,ペースメーカのみならず植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator;ICD),両室ペーシング機能付植込み型除細動器 (cardiac resynchronization therapy defibrillator;CRT-D)に関しても対応 機種の発売が開始され,3 T対応機種も発売されるようになった。 これらのデバイスは無条件でMRI撮像ができるわけではなく,施設条件,MRI撮 像条件およびデバイス条件などさまざまな条件をクリアすることでMRI撮像が可 能となっている。煩雑なのは各機種により撮像可能部位などのMRI撮像条件が異 なることで,MRI撮像前にはデバイスチェックと撮像条件の指定,撮像モードへ の切り替えが必要である。従って,これらの過程がスムーズに行われるための院 内フローを作成し運用することが望ましい。 臨床現場ではMRI対応機種とMRI非対応機種が混在する過渡期にあり,混乱をさ けるために医師・放射線技師・看護師・その他医療関連スタッフの情報共有と撮 像する際の院内フローの運用が必須である。本稿では,MRI非対応のデバイス機 器でMRIを撮像した場合に生じうる不具合について述べるとともに,当院での撮 像に関する院内フロー,各社のMRI対応デバイスの現状について解説する。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.