連載
悪性リンパ腫の"appearances"(第4回) 肝・胆・膵
小林 久人
1
,
本杉 宇太郎
1山梨大学 医学部放射線医学講座
キーワード:
肝臓腫瘍
,
MRI
,
膵臓腫瘍
,
脾臓腫瘍
,
リンパ腫
,
腹部CT
Keyword:
Lymphoma
,
Liver Neoplasms
,
Pancreatic Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Splenic Neoplasms
pp.505-509
発行日 2018年4月26日
Published Date 2018/4/26
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2018192090
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「肝」概説。
肝にリンパ組織は存在するが,肝組織は悪性リンパ腫の発育しにくい環境である。そのため,原発の悪性リンパ腫は非常にまれで,節外性非Hodgkinリンパ腫の0.4%,肝原発性悪性腫瘍の0.07%と報告されている。胆嚢に生じる原発性悪性リンパ腫はきわめてまれで,胆嚢原発悪性腫瘍の0.1〜 0.2%とされている。組織型はMALTリンパ腫やDLBCLが多く,その他FLの報告がある。
「膵」概説
膵原発性悪性リンパ腫は節外性リンパ腫の約1%),膵腫瘤全体の0.5%以下とされている。組織型はDLBCLが約80%を占める。50 〜 60歳代の男性に多い。
「脾」概説
脾悪性リンパ腫は原発性と続発性に分類され,ほとんどの場合は全身性の悪性リンパ腫からの続発性である。脾原発の悪性リンパ腫はまれで,非Hodgkinリンパ腫の約1%とされている。脾原発性悪性リンパ腫の定義は確立されていないが,一般的に脾門部リンパ節浸潤以外に周囲リンパ節腫大や骨浸潤がない場合とされる。原発性の組織型はほとんどがB細胞性で,わが国ではDLBCLが最も多い。
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