特集 人工股関節置換法 アプローチと最新の機器のトレンド
モジュラー型S-ROMステムの特徴・適応・成績
徳永 裕彦
1
1関西医科大学総合医療センター 整形外科
キーワード:
治療成績
,
人工股関節
,
股関節置換術
Keyword:
Hip Prosthesis
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.1149-1155
発行日 2017年11月19日
Published Date 2017/11/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2018042397
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
S-ROM®モジュラー型ステムの特徴
モジュラーステムは脚長補正,前捻の調整,お よび再置換での容易性が利点とされ,欠点として, ステムの金属疲労骨折,モジュラー部の常温圧接 (cold welding)および擦過腐食(fretting and corrosion)がある1)。 モジュラーステムとして代表的なS-ROM®と S-ROM-A(DePuy Synthes社)は,近位部のスリー ブ(全周porous coating)とfemoral stem(ポリッ シュ表面処理)に分かれているモジュラー型セメ ントレスステムである(図1)。大腿骨近位部と遠 位部において,fit and fillにて髄腔占拠率を高めて 初期固定を得るのがデザインコンセプトである。 ステム遠位のフルート(縦溝)により皮質骨へ scratch fitし,ステムの回旋に対する安定性を増 加させ,遠位のスロット(裂け目)により柔軟性を もたせ,ステム先端部のインピンジメントを防止 している(図2)。ステムの遠位径は6 ~17mm,ネッ クの種類は5種類,最大7種類のスリーブとスタン ダードステムとロングステムの組み合わせで,初 回例2)から再置換例3)までさまざまな症例に対応可 能であることが特徴である(図1)。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.