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はじめに
テーパーウェッジ型ステムの歴史は古く,その 原型でありfirst generationといわれるタイプのス テムの代表として2つの異なるステムがある。 1つはTRI-LOCK® stem(DePuy社)であり, 1981年に臨床応用された。コバルトクロム(Co-Cr) 合金のステム母床の近位60%に平均150μmの ビーズコーティングが全周性に施された近位固定 型のショートステムである1)。ヘッドサイズは 32mmのみでステムと一体型のmono-bloc design であった。 もう1つはTaperloc® stem(Biomet社)で,1983 年に臨床応用された。ヘッドサイズは28mmのみ で,ステムと一体となった形態はTRI-LOCK® stemと同様なデザインであった2)。しかし,その 当時のセメントレスステムとしては珍しく,チタ ン合金(Ti-6Al-4V)を母材として使用し,近位の 40%に635 ~ 889μmの厚さで,プラズマスプレー コーティングを全周性に行っていた。Mono-block designで,28mmヘッドもTi-6Al-4V製であり,耐 摩耗性に問題があったため,1994年に,modularhead へと変更され,Co-Cr合金によるヘッドが使 用可能となった。 ほぼ同時期(1984年)に,テーパー型のチタン合 金製ステムとしてMallory-Head stem(BIOMET 社)も臨床応用された3)。さらに,1986年には Zweymüller® stem(Zimmer社)も現在まで使用さ れているステム形状になり,安定した長期成績へ とつながる原型となった4)。Fit and fillという概念 がセメントレスステムの主流を占めていた時代 に,テーパー形状というデザインコンセプトを もったいくつかのステムが,臨床の現場で使用さ れ始めていた。
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