- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
人工膝関節全置換術(TKA)後膝蓋骨骨折が判明した7例7膝(男2例、女5例、骨折時平均76歳)の治療成績について検討した。原疾患は変形性関節症(OA)5例、関節リウマチ(RA)1例、ステロイド関節症1例で、7例中5例で術後3年以内に骨折が発生していた。TKAはprimary 6例、revision1例で、7例中6例にlateral releaseが行われていた。骨折の分類はインプラントと伸展機構が正常なType Iが6例、伸展機構の破綻を伴うType IIが1例で、これらの症例に対し臨床評価およびX線評価を行ったところ、調査時に膝の軽度疼痛および違和感を訴えたのは各1例で、5例は無痛であった。骨折による関節可動域の減少は認めず、膝伸展筋力は5が2例、4+が1例、4が4例であった。X線評価では膝蓋骨コンポーネントを有する5例で弛みが認められた症例はなく、癒合5例、癒合不全2例であった。症例1は66歳女性で、TKA後5年8ヵ月で受傷しその7ヵ月後に受診となった。単純X線像でType IIの膝蓋骨骨折を認め、膝蓋骨に対しコンポーネントの抜去および形成術を行ったところ、術後9年6ヵ月で疼痛やextension lagはなく、可動域は伸展0度、屈曲100度で、日本整形外科学会変形性膝関節症治療成績判定基準(JOA score)は55点から75点に改善した。症例2は85歳女性で、TKA後18年でコンポーネントの弛みに対し再置換術を施行し、膝蓋骨の著しい骨欠損に対し同種海綿骨の移植をしたものの、術後2ヵ月でType Iの骨折が認められた。骨折後4年で疼痛やextension lagはなく、可動域伸展0度、屈曲90度、骨癒合を認めるもJOA scoreは55点から50点に低下した。症例3は73歳男性で、TKA後2年6ヵ月でType Iの膝蓋骨骨折を認め、その12年6ヵ月後に膝蓋骨の変形治癒が認められたものの、疼痛、extension lagはなく、可動域伸展0度、屈曲120度、JOA scoreは骨折前85点、調査時81点であった。症例4は72歳女性で、TKA後6週でType IIの膝蓋骨骨折を認め、膝蓋骨コンポーネントの弛みとセメント層の分離、更に骨折部の離解が認められたため、骨再接合術を施行した。骨折後9年で疼痛はなく、可動域伸展-5度、屈曲60度で、JOA scoreは60点、単純X線でextension lagは10度であった。

Copyright© 2013 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.

