特集 24 ―TWENTY FOUR― 戦う循環器当直医のための虎の巻
Ⅰ 急性冠症候群
2 救急外来の胸痛患者を帰宅可能と判断するには?
立石 和也
1
,
齋藤 佑一
1
1千葉大学大学院医学研究院循環器内科学
キーワード:
NSTE-ACS
,
リスク層別化
,
GRACEリスクスコア
,
高感度トロポニン
Keyword:
NSTE-ACS
,
リスク層別化
,
GRACEリスクスコア
,
高感度トロポニン
pp.16-22
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000002093
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・救急外来における胸痛患者の診察では,来院10分以内に簡単な問診,バイタルサインの測定および12誘導心電図を施行し,ST上昇型心筋梗塞(STEMI)のスクリーニングを行うことがきわめて重要である。
・12誘導心電図にて明らかなST上昇がみられない場合はNSTE-ACS疑いとして分類されるが,この患者群のリスクは比較的軽症から超重症まで幅広く,治療方針決定が難しいことが多い。
・非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)の患者で最も重要なことはリスクの層別化であり,バイタルサインや血清トロポニン値,リスクスコアなどを用いて総合的に侵襲的検査の必要性やそのタイミングについて判断する。低リスクと判断された場合には帰宅も可能であるが,必要に応じて冠動脈CTを行うという選択肢もある。

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