連載 心臓の解剖【知っておきたい知識 -疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学-】
第11回
心房中隔の基本構造と疾患
井川 修
1
1日本医科大学付属病院/セントマーガレット病院 循環器内科
pp.205-213
発行日 2022年2月9日
Published Date 2022/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000846
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●原始心房に由来する心房中隔(IAS)の構造は,その発生から考えると理解しやすい。
●IASは,一次中隔と折り返し二層心筋構造の二次中隔から形成されている。
●IAS中央にある壁の厚さが薄い膜様の卵円窩(一次中隔領域)は,少量の線維組織を含む心筋と,それを両側の心内膜からなるサンドイッチ構造を呈している。その大きさ,厚さには個人差がある。
●卵円窩周辺(二次中隔領域)の筋肉組織は卵円窩縁とよばれ,前方以外は二層の折り返し心筋構造を呈している。
●左房側からIASの表面をみても特徴的な構造はなく,一様で平滑な面がみられるのみである。
●卵円孔開存は成人の20〜25%に認められる。その開存孔は心房中隔前上方に存在するが,右房からその孔を辿ると左房前壁の右側上部に到達する。
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