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増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
各論(心エコー類似所見別または病態別)
9章 先天性疾患
心房中隔欠損症
Atrial septal defect (ASD)
山本 将司
1
1第二大阪警察病院臨床検査科
pp.524-532
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202984
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基礎知識
心房中隔は発生段階で一次中隔とそれに引き続き発達する二次中隔から形成される.心房中隔欠損症(atrial septal defect:ASD)は,その発生過程で心房中隔に欠損孔を生じる短絡疾患である.ASDは先天性心疾患の7〜13%,40歳以上の先天性心疾患の35〜40%を占める1).欠損部位によって二次孔欠損,一次孔欠損,静脈洞欠損(上位型,下位型),冠静脈洞(coronary sinus:CS)欠損に分類され,二次孔欠損が約75%と最も多い.5mm以下の小欠損孔は自然閉鎖率が高いが,小児期で8〜10mm以上の欠損孔症例は,ほとんど自然閉鎖しない.
ASDの画像診断において経胸壁心エコー図検査は最初に施行すべき検査である.二次孔欠損の治療においては,2005年からわが国に導入された経皮的ASD閉鎖術が外科的閉鎖術と並ぶ標準的治療となっている.
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