特集 完全把握をめざす小児の心疾患
先天性心疾患(各論)
心房中隔欠損症
阿部 忠朗
1
ABE Tadaaki
1
1新潟大学医学部小児科学教室
pp.527-529
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001599
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
概 念
心房中隔欠損(atrial septal defect:ASD)は心房中隔壁に欠損を有する先天性心疾患であり,欠損孔の部位により ① 二次孔欠損(80%程度),② 上位あるいは下位静脈洞欠損(10%程度),③ 一次孔欠損(2~3%),④ 冠静脈洞欠損(まれ)に分類される(図1)。ASDは出生1.6/1000人に認められ,男女比は3:7程度である1,2)。多くは孤発例であるが,奇形症候群や染色体異常に伴うことも多く,特定の遺伝子変異としてTBX5(Holt-Oram症候群),NKX2-5(伝導障害を伴う),GATA4(家族性)などが報告されている3)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.