病気のはなし
心房中隔欠損症
富松 宏文
1
1東京女子医科大学循環器小児科
pp.1248-1253
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207795
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Point
●心房中隔欠損症にはいくつかの病型があり,その治療方法も異なるため,病型を正しく診断することが重要である.
●心エコー検査では欠損孔と短絡血流の描出が必須であるが,それ以外に右房・右室の拡大所見や,肺動脈弁輪の拡大所見なども重要である.また,肺体血流量比の推測や,右室収縮期圧(肺動脈収縮期圧)の評価は治療適応決定に重要である.
●心電図では特徴的な異常所見を呈さないこともある.また,病型によっては経胸壁心エコー検査では診断が困難なことがあり,そのような場合にはTEEが有用である.
●心房中隔欠損症(ASD)の診断をした場合には,部分肺静脈還流異常(PAPVC),肺動脈弁狭窄,僧帽弁閉鎖不全などの合併異常の検索が重要である.
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