特集 超高齢者循環器診療の術-先生のお悩みはなんですか?-
治す11
超高齢者の心房細動で抗血栓治療を中止することができるか?
岡田 靖
1
,
矢坂 正弘
1
1国立病院機構九州医療センター脳血管・神経内科
キーワード:
超高齢者
,
抗凝固薬
,
心房細動
,
腎機能障害
,
左心耳閉鎖デバイス
Keyword:
超高齢者
,
抗凝固薬
,
心房細動
,
腎機能障害
,
左心耳閉鎖デバイス
pp.1172-1175
発行日 2020年12月9日
Published Date 2020/12/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000401
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経口抗凝固薬の歴史はワルファリン(1948年)の臨床への導入にはじまり,長年にわたって同薬のみが投与されてきたが,直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)が2011年より2014年にかけてトロンビン阻害薬のダビガトラン,Xa阻害薬のリバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンの順に登場してきた。管理が容易でないワルファリンと比較して,管理が容易なDOACが広く非弁膜症性心房細動(non-valvular atrial fibrillation:NVAF)や静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)の抗凝固療法に用いられるようになった。しかしNVAFを基礎疾患とする心原性脳塞栓症(cardioembolic stroke:CES)は80歳以上の高齢者が多く,腎機能障害,低体重,フレイル,代謝機能障害や出血合併症に留意が必要である。ここでは主に,超高齢者に対する抗凝固療法を中止して臨床経過をみることが許容される条件は何かについて,いくつかの課題について論じてみたい。
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